バスクシャツの代名詞として世界中で愛されるセントジェームス。そのタフな生地感と普遍的なデザインは、一生モノとしてワードローブに揃えておきたい名品です。近年、ファッションのトレンドがリラックスしたシルエットへと変化する中で、セントジェームスを大きめに着るスタイルが注目を集めています。
しかし、いざサイズを上げようとすると「どのサイズを選べばいいのか」「洗濯後の縮みが心配」といった悩みも尽きません。この記事では、ヴィンテージ品から現行の定番モデルまで熟知した視点で、セントジェームスをあえてサイズアップして着こなすための具体的なノウハウを深掘りしていきます。
理想的なオーバーサイズのシルエットを手に入れるためのサイズ表や、洗濯による変化、そして大人にふさわしいコーディネート術まで詳しく解説します。自分だけの一着を育てるためのヒントとして、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
セントジェームスを大きめに着るメリットとサイズ感の基本

セントジェームスの王道モデルである「ウエッソン(OUESSANT)」は、もともと漁師や船乗りが作業着として愛用していた背景があります。そのため、ジャストサイズで着ると質実剛健で少し硬い印象になりがちですが、あえて大きめに着ることで、現代的な「抜け感」を演出できるのが最大の魅力です。
今なぜ大きめに着るスタイルが支持されるのか
かつてのセントジェームスは、ジャストサイズで品良く着こなすのが定番でした。しかし、現在のファッショントレンドでは、肩のラインを少し落とし、身幅にゆとりを持たせたリラックスシルエットが主流となっています。この適度なボリューム感が、コーディネートに今っぽさを加えてくれます。
また、大きめのサイズを選ぶことで、セントジェームス特有の「厚手でハリのある生地」が肌に密着せず、立体的なシルエットを作り出します。これにより、体型カバー効果が期待できるだけでなく、一枚で着た時にもサマになる存在感が生まれるのです。窮屈さを感じない快適な着心地も、多くの人に支持される理由の一つでしょう。
さらに、大きめサイズを選ぶことは、レイヤード(重ね着)の幅を広げることにも繋がります。ジャストサイズでは難しかった厚手のシャツやタートルネックをインナーに仕込むことが可能になり、春先や秋口だけでなく、冬場も含めたオールシーズンでの活躍が期待できるようになります。
定番「ウエッソン」のサイズ表記と目安
セントジェームスのサイズ展開は「T0」から「T7」といった独自の表記が用いられています。この表記に慣れていないと、どのサイズが自分にとって「大きめ」なのか判断が難しいかもしれません。一般的に、日本人の標準的な体型を基準とした場合のサイズ感は以下の通りです。
| サイズ表記 | 目安となる日本のサイズ | 主な着用イメージ |
|---|---|---|
| T0 / T1 | レディースS相当 | 小柄な女性のジャストサイズ |
| T3 | レディースM / メンズXS相当 | 女性のゆったり、男性のタイトめ |
| T4 | メンズS / レディースL相当 | ユニセックスで人気の中心サイズ |
| T5 | メンズM相当 | 標準的な男性が少しゆとりを持てるサイズ |
| T6 | メンズL相当 | 男性が大きめに着るならこのサイズから |
| T7 | メンズXL相当 | かなり大柄な方や、大胆なオーバーサイズ用 |
このように、普段の自分のサイズよりも「1〜2サイズ上」を意識することが、大きめに着るための第一歩となります。特に、男性ならT5以上、女性ならT3〜T4を選ぶことで、セントジェームスらしいリラックスした雰囲気を出しやすくなります。自分の肩幅や身幅と照らし合わせながら選んでみてください。
体型別・理想のオーバーサイズの見つけ方
「大きめに着る」といっても、単にダボダボなものを選べば良いわけではありません。体型によって、美しく見えるオーバーサイズの塩梅は異なります。例えば、細身の方は肩が落ちるドロップショルダーを意識してサイズを選ぶと、華奢な印象を払拭しつつ、こなれた雰囲気を出すことができます。
一方で、ガッチリとした体型の方は、身幅に十分なゆとりがあるサイズを選ばないと、生地のハリ感によってかえって体が大きく見えてしまうことがあります。この場合、あえて最大のT7などを選び、裾を軽くブラウジング(たゆませる)して着こなすのがおすすめです。
女性が大きめに着る場合は、袖丈が長くなりすぎないように注意が必要です。セントジェームスは袖が少し短めに設計されていますが、サイズを上げると袖も長くなります。手首が見える程度に袖をロールアップすることで、全体のバランスが整い、女性らしい華奢な部分を強調することができます。
男女問わず楽しめるユニセックスなシルエット
セントジェームスの最大の美徳は、そのデザインが完全にジェンダーレスであることです。サイズ選び次第で、男性が着ても女性が着ても違和感なく馴染みます。特に大きめに着るスタイルは、カップルや家族でシェアして楽しむのにも非常に向いています。
例えば、パートナーが着ているT6サイズを女性が借りて、レギンスやタイトなパンツと合わせてビッグシルエットのチュニック風に着こなすのも素敵です。生地が丈夫なので、頻繁に貸し借りをして洗濯を繰り返しても、型崩れしにくいのが嬉しいポイントです。
古着市場でも、大きめサイズのセントジェームスは非常に人気があります。使い込まれてクタクタになった生地感は、新品にはない独特の柔らかさがあり、より体に馴染みやすくなっています。性別を問わず、自分にとって心地よい「余白」を感じられる一着を見つけることが、着こなしの楽しみを広げてくれます。
洗濯後の縮みを考慮したサイズアップの重要性

セントジェームスを大きめに着たいと考えるなら、絶対に避けて通れないのが「縮み」の問題です。新品の状態ではちょうど良いオーバーサイズだと思っていても、一度洗濯すると驚くほどサイズが変わることがあります。ここでは、そのメカニズムと対策について解説します。
セントジェームス特有の「縮み」のメカニズム
セントジェームスの主力素材であるコットン100%の編み生地(ノルマンディーの伝統的な製法)は、織り目が詰まっていない状態で出荷されることが多いです。そのため、水を通すとコットン繊維が収縮し、網目がギュッと凝縮されます。これがセントジェームスが「洗うと縮む」と言われる理由です。
特に「ウエッソン」などの厚手モデルは、洗濯による変化が顕著です。メーカー側もこの縮みを想定して設計していますが、初めて手にする方は、その変化に驚くかもしれません。生地が締まることで耐久性が増し、本来のタフな風合いが完成するプロセスでもあります。
この縮みは、決してネガティブなものではありません。むしろ、自分の体にフィットしていく過程として楽しむのが、セントジェームスの愛好家の間では常識となっています。ただし、大きめに着ることを目的とするならば、この縮み分をあらかじめ計算に入れておく必要があります。
縦に数センチ縮む!購入時に気をつけたいポイント
洗濯によって最も大きく変化するのは、身幅よりも「着丈」と「袖丈」です。一般的には、洗濯を数回繰り返すことで、縦方向に2センチから3センチ程度縮むと言われています。条件によってはそれ以上に縮むケースもあり、この変化を考慮しないと、思っていたよりも丈が短くなってしまいます。
身幅についても若干の収縮はありますが、横方向は着用しているうちに体の動きに合わせて適度に伸びてくる特性があります。しかし、縦方向の縮みは戻りにくいため、購入時の試着では「少し丈が長すぎるかな?」と感じるくらいが、洗濯後に理想のサイズ感になる目安です。
縮みを計算したワンサイズ上の選び方
以上の特性を踏まえると、大きめに着こなしたい場合は、普段選ぶサイズよりもさらに「プラス2サイズ」を目安に検討することをおすすめします。例えば、普段Mサイズ(T4相当)がジャストな方であれば、T5ではなく、あえてT6を選ぶことで、洗濯後もゆとりのあるシルエットをキープできます。
特に、セントジェームスを1枚でメインに据えた着こなしをする場合、着丈が短いと少し古い印象を与えてしまうことがあります。しっかりと腰回りをカバーしつつ、横幅にも余裕を持たせるためには、思い切ったサイズ選びが功を奏します。
また、インナーにシャツを合わせるスタイルを楽しみたい場合も、縮んだ後のサイズを考慮して大きめを選んでおかないと、脇周りが窮屈になってしまいます。将来的なレイヤードも見据えて、余裕を持った選択をすることが、失敗しないための鍵となります。
乾燥機は厳禁?長く愛用するためのお手入れ
セントジェームスを極端に縮ませたくない場合、あるいは縮み方をコントロールしたい場合は、乾燥機の使用に注意が必要です。家庭用の乾燥機やコインランドリーの高温乾燥にかけると、通常の洗濯以上に激しく縮む可能性が高くなります。中には1サイズ分以上小さくなってしまったという例も珍しくありません。
理想は、裏返してネットに入れ、弱水流で洗った後に「平干し」をすることです。ハンガーにかけて干すと、自重で肩のラインが伸びてしまうことがありますが、大きめに着る場合はあえてハンガー干しにして着丈をキープするという裏技もあります。ただし、基本的には平干しが生地を最も傷めません。
洗濯洗剤は、蛍光増白剤が入っていないものを選ぶと、ボーダーの白地や淡い色合いが長持ちします。愛着を持ってケアすることで、生地が柔らかくなり、より肌に馴染む一枚へと育っていきます。
モデル別・大きめに着る際のおすすめアイテム

セントジェームスには、定番の「ウエッソン」以外にも様々なモデルが存在します。それぞれの生地感やカットによって、大きめに着た時のシルエットの見え方は大きく異なります。自分のスタイルに合ったモデルを見つけてみましょう。
王道の肉厚生地「ウエッソン」でボリュームを楽しむ
セントジェームスといえば、やはり「ウエッソン」です。ボートネックの首元と、ガシガシとした厚手のコットン生地が特徴です。このモデルを大きめに着ると、生地の硬さゆえに体のラインを拾わず、構築的なオーバーサイズシルエットが完成します。
ウエッソンの魅力は、何度洗ってもへたれない強固な生地にあります。大きめサイズを選んでも、裾がダラリと伸びきってしまうことがなく、独特のボリューム感を維持してくれます。この「自立するようなシルエット」こそが、大人のオーバーサイズスタイルにふさわしい品格を与えてくれます。
カラーバリエーションも豊富なため、定番の生成り×ネイビーだけでなく、無地(ソリッド)モデルを大きめに着るのも非常にモダンでおすすめです。無地のT6やT7サイズは、スウェットシャツのような感覚でラフに取り入れることができ、非常に汎用性が高いアイテムです。
軽やかな「ピリアック」をルーズに着こなす
夏場の定番である半袖モデル「ピリアック(PIRIAC)」も、大きめに着ることでその魅力が倍増します。ピリアックはウエッソンに比べて生地が薄く、さらりとした肌触りが特徴です。そのため、サイズを上げても重たい印象にならず、軽やかなドレープ感を楽しむことができます。
ピリアックをサイズアップして着ると、袖丈が少し長くなり、五分袖のようなニュアンスになります。これにより、二の腕をカバーしつつ、リラックスしたリゾート感のある雰囲気を演出できます。薄手の生地なので、パンツにインしてブラウジングさせる着こなしもスムーズに行えます。
ただし、生地が薄い分、洗濯による伸びや縮みの影響をダイレクトに受けやすい側面もあります。ピリアックで大きめを選ぶ際は、首元が開きすぎないかどうかもチェックポイントです。あまりに大きすぎるとボートネックが横に広がりすぎてしまうため、バランスに注意しましょう。
パネルボーダーの「ナヴァル」で上品な抜け感を
フランス海軍の制服をルーツに持つ「ナヴァル(NAVAL)」は、胸元と肩口が無地になっているパネルボーダーのデザインが特徴です。ウエッソンよりも少し薄手で、裾にはスリットが入っているため、大きめに着た時も裾周りがすっきりと見えます。
ナヴァルを大きめに着ると、ボーダーの配置バランスが絶妙なアクセントになります。顔周りが無地であるため、オーバーサイズでも顔が埋もれて見えることがなく、スッキリとした清潔感をキープできるのがメリットです。ナヴァル特有の吸湿性に優れた上質なコットンは、大きめサイズでゆったりと纏うのが最高に贅沢です。
ナヴァルはウエッソンよりも着丈が長めに設定されていることが多いモデルです。そのため、サイズアップしすぎると着丈がかなり長くなる傾向があります。細身のパンツを合わせるか、フロント部分だけを軽くタックインするなど、着こなしに工夫を加えるとより洗練された印象になります。
ドロップショルダーを強調するサイズ選び
セントジェームスを大きめに着る際、最も視覚的な変化が出るのが「肩」の部分です。もともと直線的なカットがなされているため、サイズを上げることで自然と肩のラインが落ち、ドロップショルダーの形になります。これが、カチッとした印象を和らげ、優しげなムードを作ります。
あえてT7などの最大サイズを選び、肩を大きく落として着るスタイルは、ヴィンテージ愛好家の間でも定番のテクニックです。袖口が余るようであれば、無造作に捲り上げることで、腕周りにボリュームが出て、全体のシルエットにメリハリが生まれます。
このような着こなしは、特にカジュアルなデニムやチノパンと相性が抜群です。肩の力が抜けたリラックス感を出しつつも、セントジェームスの生地の良さが安っぽさを感じさせません。計算された「崩し」として、オーバーサイズを楽しんでみてください。
セントジェームスを大きめに着こなすコーディネート術

サイズ選びの次は、実際にどのように着こなすかが重要です。大きめのセントジェームスは、合わせるボトムスや小物次第で、カジュアルから上品なスタイルまで幅広く対応できます。ここでは、失敗しないためのコーディネートのコツを紹介します。
ワイドパンツと合わせたリラックスシルエット
上下ともにゆとりのあるアイテムを合わせる「ワイド×ワイド」のバランスは、今最も取り入れやすいコーディネートの一つです。大きめのセントジェームスに、太めのチノパンや軍パン、ワイドデニムを合わせることで、大人の余裕を感じさせるリラックススタイルが完成します。
この際、だらしなく見えないようにするためのポイントは、素材感のコントラストを意識することです。ハリのあるウエッソンには、同じくハリのあるチノクロスやデニムを合わせると、シルエットが崩れず綺麗にまとまります。足元は清潔感のある白スニーカーや、少しボリュームのある革靴を合わせると全体の重心が整います。
また、色使いをシンプルにまとめることも大切です。例えば、ネイビー×白のボーダーを大きめに着るなら、パンツは同系色のネイビーや清潔感のあるオフホワイトを選ぶと、統一感が出て洗練された印象になります。大きめサイズだからこそ、色の数を絞ることで大人っぽさを維持できます。
タイトなボトムスとのメリハリを意識したスタイル
上半身にボリュームを持たせ、下半身をスッキリとさせる「Yラインシルエット」は、大きめに着るスタイルにおいて王道の鉄則です。スキニーパンツやテーパードの効いたスラックスを合わせることで、トップスの大きさが際立ち、スタイルアップ効果が期待できます。
特に女性におすすめなのが、ビッグサイズのウエッソンに細身の黒パンツやリブパンツを合わせる着こなしです。お尻が隠れるくらいの丈感になるサイズを選ぶことで、体型カバーをしながらも、足元をスッキリ見せることで女性らしい繊細さを強調できます。
男性の場合も、少し細身のジーンズやトラウザーを合わせることで、フレンチカジュアルらしい端正な雰囲気を保つことができます。大きめのトップスが作るドレープと、シャープなボトムスのコントラストは、誰でも簡単にオシャレに見える黄金比です。
シャツやタートルネックとのレイヤード活用法
セントジェームスを大きめに選ぶ最大のメリットは、インナーに別のアイテムを重ねる「レイヤード」が容易になることです。ジャストサイズでは首元が詰まって見えてしまう重ね着も、サイズアップしたモデルなら余裕を持って楽しめます。
定番は、白のボタンダウンシャツをインナーに着て、襟と裾を少しだけ覗かせるスタイルです。これにより、ボーダーのカジュアルさに清潔感のある「カッチリ感」が加わり、ビジネスカジュアルや少し背伸びしたい日の装いにも対応できるようになります。
寒い季節には、薄手のタートルネックニットをインナーに仕込むのも非常に洒落て見えます。ボートネックから覗くタートルネックの色がアクセントになり、首周りに奥行きが生まれます。大きめサイズなら、これだけ重ねても着膨れせず、スマートな印象を崩しません。
袖をまくって手首を見せる「こなれ感」の出し方
大きめのサイズを選ぶと、どうしても袖丈が長くなり、手が隠れてしまうことがあります。もちろんそのままルーズに着るのも可愛いのですが、大人っぽく見せるなら「袖をまくる」というテクニックを積極的に取り入れましょう。
手首という体の細い部分を見せることで、全体のシルエットが引き締まり、野暮ったさが解消されます。セントジェームスの生地はしっかりしているため、2、3回ラフに折り返しても形が崩れにくく、ボリュームのある袖口が腕を細く見せてくれる効果もあります。
こなれ感を出すための袖まくりポイント
1. きっちり折らずに、無造作にたくし上げるイメージで。
2. バングルや腕時計を見せることで、アクセサリーとの相乗効果を狙う。
3. 左右非対称に少しずらすことで、より自然な抜け感を演出する。
ヴィンテージや古着で探す大きめサイズの魅力

セントジェームスは、古着市場でも非常に活発に取引されています。実は「大きめに着る」という目的ならば、新品よりも古着の方が理想の一着に出会える可能性が高いこともあります。ヴィンテージならではの魅力を探ってみましょう。
現行品とは異なる旧タグ時代の風合い
セントジェームスの歴史は長く、年代によってタグのデザインや生地の質感が微妙に異なります。特に「旧タグ」と呼ばれる1980年代から90年代頃のアイテムは、現行品よりも生地が肉厚であったり、逆に使い込まれて驚くほど柔らかくなっていたりします。
ヴィンテージの大きめサイズを狙うメリットは、その「落ち感」にあります。新品のウエッソンは生地が硬く、肩を落とした時に角が立ってしまうことがありますが、古着であれば長年の洗濯と着用によって生地が馴染んでおり、肩のラインが美しく滑らかに落ちてくれます。
また、古いモデルには、現行にはない珍しい配色(レアカラー)が存在することも魅力です。くすんだ色合いや、独特のフェード感(色落ち)がある大きめサイズは、一点モノとしての価値があり、シンプルなコーディネートでも圧倒的な存在感を放ちます。
すでに縮みきった古着ならではのサイズ選び
古着の最大の利点は、「これ以上縮まない」という点です。前述した通り、セントジェームスは洗濯によるサイズ変化が激しいアイテムですが、古着として流通しているものはすでに何度も洗濯されており、サイズが確定しています。
そのため、店頭やオンラインショップに記載されている実寸サイズを信じて選ぶことができ、購入後の「縮みすぎた!」という失敗を防ぐことができます。これは、オーバーサイズを狙う上で非常に大きな安心材料となります。自分の持っているお気に入りの服のサイズを測り、それと比較して選ぶのが最も確実な方法です。
ただし、古着の場合は前のオーナーの洗濯方法によって、同じサイズ表記でも実寸が全く異なることがあります。T5のタグが付いていても、実際にはT4程度まで縮んでいる個体もあるため、必ず表記サイズではなく「実寸(身幅・着丈・肩幅)」を確認するようにしましょう。
使い込まれたコットンの柔らかな肌触り
新品のセントジェームスを「育てる」のも楽しみの一つですが、最初から完成された柔らかさを味わえるのは古着ならではの特権です。何度も水を通されたコットンは、起毛感が出てふっくらとした質感になり、肌への当たりが非常に優しくなっています。
大きめに着る際、硬い生地だと体が泳ぐ感覚が強く出すぎてしまいますが、柔らかな古着なら体型に沿って生地が馴染むため、オーバーサイズでも着膨れして見えにくいのが特徴です。まるでスウェットのような快適な着心地で、日常使いに最適な一着となります。
特に夏用のピリアックや薄手のナヴァルの場合、古着のクタクタ感は格別です。肌離れが良く、風を通すゆとりがある大きめサイズなら、真夏でも快適に過ごすことができます。ヴィンテージ特有の風合いは、大人のワードローブに深みを与えてくれます。
希少なビッグサイズを古着屋で見つける楽しみ
実は、古着屋でT6やT7といった大きなサイズのセントジェームスを見つけるのは、意外と難しい場合があります。昔の人はジャストサイズで着ることが多かったため、現存するヴィンテージの多くがT3やT4といった標準サイズだからです。
そのため、もし古着屋で状態の良いビッグサイズに出会えたなら、それはかなりの幸運といえます。特にフランス製(Made in France)の古いモデルで、自分の理想とするオーバーサイズが見つかった時の喜びは、古着探しの醍醐味でもあります。
最近では、あえてメンズの大きなサイズをバイイングするショップも増えています。オンラインショップや古着イベントなどをこまめにチェックして、自分だけの一期一会の一着を探してみてください。使い込まれた歴史を感じながら大きめに纏うセントジェームスには、新品にはないロマンが詰まっています。
セントジェームスを大きめに着る際の注意点とQ&A

憧れの大きめサイズを手に入れた後も、実際に着てみると「あれ?」と思うことがあるかもしれません。そんな時の対処法や、よくある疑問についてまとめました。長く愛用するための参考にしてください。
着丈が長くなりすぎた時の対処法
「大きめに着ようとしてサイズを上げたら、思っていたよりも着丈が長くなってしまった」という失敗はよくあります。特にお尻が完全に隠れてしまうような丈感は、バランスを間違えるとだらしなく見えてしまうことがあります。
そんな時は、タックイン(裾をパンツに入れる)を試してみましょう。全部入れるのに抵抗がある場合は、前裾だけを軽く引っ掛ける「フロントイン」にするだけで、ウエスト位置が高く見え、脚長効果が得られます。セントジェームスの生地は適度な厚みがあるため、インした後のふくらみも綺麗に出ます。
また、どうしても丈を短くしたい場合は、最終手段として「乾燥機」を数分ずつかけて少しずつ縮ませるという方法もありますが、これは自己責任となります。また、お直し屋さんで裾上げをしてもらうことも可能ですが、セントジェームス特有の裾の縫製仕様(ブランドタグの位置など)が変わってしまう点には注意が必要です。
ネックラインの開き具合とインナーの選び方
サイズを上げると、ボートネックの横幅も広くなります。これにより、下に着ているインナーが肩から覗きやすくなったり、首元が開きすぎて心許なく感じたりすることがあります。これを解決するのが、適切なインナー選びです。
あえて首元の詰まったクルーネックの白Tシャツをインナーに着て、ボートネックから少しだけ白を見せるのは、非常に清潔感のある着こなしです。また、タンクトップなどの首元が大きく開いたインナーを選べば、セントジェームス本来の鎖骨を綺麗に見せるラインを活かすことができます。
女性の場合は、レースのキャミソールを覗かせたり、スカーフを巻いて首元の開きをカバーしたりするのもエレガントです。大きめサイズゆえの首元の「余白」を、アクセサリーやインナーでどう埋めるかを考えるのも、着こなしの楽しさの一つです。
きれいめスタイルを崩さないバランスの取り方
オーバーサイズのセントジェームスを、単なるカジュアルウェアではなく「きれいめ」に昇華させるためには、合わせる小物の質感が重要です。リュックやスニーカーを合わせると全身がカジュアルに寄りすぎてしまいますが、そこにレザーのバッグやローファーを投入してみてください。
また、パンツにセンタープレスの入ったスラックスを選ぶことも効果的です。トップスのルーズさを、ボトムスの直線的なラインで引き締めることで、大人にふさわしい上品なフレンチスタイルが完成します。シャツの襟を出すレイヤードも、きれいめに見せるための有効な手段です。
大きめに着る時こそ、アイロンを軽く当ててシワを伸ばしたり、首周りがヨレていないか確認したりといった、細かなケアが重要になります。少しの清潔感をプラスするだけで、オーバーサイズ特有の「こなれ感」が、ただの「オーバーサイズ」ではない洗練されたものへと変わります。
洗濯を繰り返した後のシルエットの変化
セントジェームスは、着込むほどに、そして洗うほどに変化していく服です。最初はゴワゴワとしていた生地が、自分の体のラインに合わせて徐々に丸みを帯びていきます。この「経年変化」こそが、セントジェームスを愛用し続ける最大の理由です。
大きめサイズで選んだ場合、最初は少し浮いて見えるかもしれませんが、1年、2年と着ていくうちに、生地がクタッと落ちてきて、より自然なシルエットへと馴染んでいきます。縮みも数回の洗濯で落ち着き、そこからは自分だけの唯一無二の形が定着します。
まとめ:セントジェームスを大きめに着ることで広がる大人の着こなし
セントジェームスは、ジャストサイズで着れば永遠の定番として、そして大きめに着ることで現代的なファッションアイテムとして、二つの顔を持つ稀有な名品です。サイズアップを恐れず、自分に合った「ゆとり」を見つけることで、コーディネートの幅は驚くほど広がります。
失敗しないためのポイントは、洗濯による縮みを計算に入れ、普段よりもプラス1〜2サイズ上を選ぶこと。そして、生地の特性(特にウエッソンのハリ感)を活かしたシルエット作りを意識することです。ボトムスとのバランスやレイヤードの工夫次第で、カジュアルにもエレガントにも表情を変えてくれます。
時代を超えて愛されるセントジェームスのバスクシャツ。自分好みの大きめサイズを、時間をかけてじっくりと自分の体に馴染ませていく過程は、まさにファッションの醍醐味です。この記事を参考に、あなたにとって最高のシルエットを描く一着を見つけていただければ幸いです。



